2012年8月20日月曜日
silkpiece 橋詰さんに会いに行く
2012/8/3 Fri
これからの編み機はどうなっていくのだろう?!
家庭用編機の生産は中止されてしまったことが、今後の編み機作家、編み物作家さんにどんな影響を与えるのだろうか?
という個人的な関心から、編み機作家、編みもの作家さんに話を聞きに会いに行くということを、始めることにしました。
今回記念すべき第一回目は。
シルク編み作家 silkpiece の橋詰あゆみさんに会いにいっていきました。
橋詰さんは編み機を使って、製作をされている作家さんです。
橋詰さんのことは、iichi での、インタビューで知ったのがきっかけでした。
インタビュー記事 http://www.iichi.com/story/16
まずは橋詰さんのことを私なりに、感想も交えて紹介したいと思います。
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■シルク編みを始めたきっかけ
橋詰さんのお母さんが編み物作家ということもあり、小さい頃から編み物やモノづくりが身近にありました。
幼少の頃からモノづくりに慣れ親しんでいた橋詰さん、シルク編みを始めたきっかけもお母さんだったそうです。
「今から10年ほど前、友人の結婚式に着ていくためのワンピースをお母さんに作ってもらったことで、既成品とは全く違った工程で作られる手仕事の素晴らしさに気づき、自分で作り始めることを決断しました。」
それまでは「編み」とはあまり関係のない仕事をしており、経験が全くない状態から作り始めたので、とにかく「丁寧に、綺麗につくる」ことを心がけていたそうです。
1~2年経った頃から少しずつ作品を自分のウェブサイトに掲載・販売をし、今に至っているそうです。
■素材、糸の種類について
silkpiece という名前が冠しているように、使う素材はやはりシルクがメインになっているそうです。ただ、シルクだけに固執しているわけではないそうで、冬など寒い時期には、主にモヘアの糸をシルクと組み合わせることもあるみたいです。
素材の入手先については、橋詰さんのお父さんが帯締めの職人さんで、「織物用のシルク糸」を分けてもらっているのが特徴的です。
それは、違った形での伝統の継承をしているともいえるような気がしました。このような表現があっているのか、そして、素材として、伝統の継承はありといえるのか、わからないけれど、違った形で、使われていくことは、とても、生産的で、素敵なことだなー。と。
そして、このプロセスは新しい伝統の継承の形になるのか?!と思い、おもしろい!と感じました。
また、織物用の糸はニット用の糸より撚りが強いと言われていて、編み機で編むとなると技術もいるので、素材と真摯に向き合わないと中々難しいように私自身感じていました。
実際に作品を作られている橋詰さんは技術もともなった作家さんだと感じました。
使っている糸の種類についてはsilk100%の糸を4種類くらい固定して使っており、糸の特性を活かしながら編みのダイヤルをかえ、変化させながら色々な表情を作っているそうです。
素編み(平編み)でも同じ糸で表情を変えることが可能で、違った編み目のように見え、ただ編んだだけではないように見える工夫もされていました。
編みの表現は無限大で、組み合わせに終わりはなく、作れば作るほど新たな楽しい表情を見せてくれる。私自身も、こんな感じで楽しく、素材と向き合いたいと思います。
■これからの編み機の可能性について
「生産を中止してしまったが、手元に予備の編み機があるし、デッドストックや中古品をオークション等で入手できるので、当面困ることはないのでは。そして、織り機と同様に、編み機もローテクの機械なので、自分でメンテナンスしながら長く長く使える。だから、ずっと残るものであるのかな。今後新しく再生産することがあったら、勿論嬉しいんですけどね。」
確かに、長く長く使えるから、そんなにたくさんはいらないし、たくさんは売れない。
生産中止になっていしまった経緯は、きっと、単純に売れなくなってしまったからだろう。
でも、こうして、今も使っている方がたくさんいるので、なにかしら、導き出せたら、と思います。
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インタビューの合間に作品を見せて頂いたのですが、着る人に寄り沿う様なデザインで、素材の良さがとても際立っていました。
橋詰さんが作る洋服たちは、まさに橋詰さんそのもので、とても、やさしく、繊細なのに、強さがある。そんな素敵な作品達でした。
橋詰さん、本当にありがとうございました。
今後も、継続して作家訪問レポートをアップしていきます!!!
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